監督・脚本 ジュリアン・デュヴィヴィエ 出演:カトリーヌ・フォントネー、アリー・ポール、ロベール・リナン 1932年 フランス 原作はルナールの小説「にんじん」。僕が持っている本の表紙にはウサギ小屋のような所で少年がメロン(?)を一人で隠れるように食べている絵が載っています。 ジュリアン・デュヴィヴィエの作品には「舞踏会の手帖」(シネマの手帖にはだいぶ前に書きました)以来ずっと憧れをもっています。まだ四作しか観ていないんですが(古すぎてどこにも置いてないという…)、一貫して感じるのは人間に対するデュヴィヴィエの「やさしさ」です。それが映画(まさしく映画!)に宝石のような輝きを与えているように思えます。 小笠原 話は「にんじん」に戻りますが、僕は本は持っていても読みはしませんでした。だってタイトルが「にんじん」なんだもん。野菜じゃん!つまんなそ~…。どうせ文章の硬い世界の名作だろ!…そう思って以来「にんじん」は本棚の奥に隠れて何年も気づかれることはありませんでした。 それを救ってくれたのがデュヴィヴィエ!君が作ったのなら何でも観るよ…。 そこで初めて知った「にんじん」とは虐待を受けている赤毛の少年、フランソワの呼び名だったということ…。いくら明るく振舞っていても本当は悲しくてしょうがない、そんな少年の、観た後に胸が詰まるような話でした…。 これは観たほうがいいですよ~、そして観たなら一緒に飲もう!いやマジで。語りたいの。
by chuoeiken
| 2005-05-10 03:33
| ヒューマンドラマ
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