TAMALA 2010 a punk cat in space
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 カルトアニメだというから多少身構えてはいたが、思っていた以上に難しい話だった。邦画は、アニメの形式を取った途端に突如饒舌になり難解な哲学をまくしたてるのが最近の流行のようで。話はまったく変わるが、私は「イノセンス」というアニメが苦手だ。特に変わったことのないようなストーリーに、わかったようなわからないような哲学をぶち込んで丸投げされたという気がどうしてもする。それはそれでいいのだが、映画の雰囲気が、冷淡な優等生がかもし出すそれのようで、こちらが話に入り込む余地がないように思ってしまうのだ。
 しかし、このTAMALAは画が変わってて面白い。語られている哲学は難解ではあるけれど、画のせいかあまり嫌味がない。映画の雰囲気も、全体的に疲れてて覇気がなくてとてもいい。何というか、人生を達観したインテリな友達としゃべっているような感覚に陥る。哲学は、豪勢なじゅうたんの上で語られるよりも、シュールに、何が何やらという感じに語られたほうが面白いし合っていると思うのだが。
                            鈴木



 タマラが本当に人形のようにしか見えないのがよい。暗い影を負っているのに、あっけらかんとして、無表情で、躍動感がなくて、その存在だけで心に来るものがある。映画ワケわかんない、でもタマラかわいいと言ってしまった時点で、この映画の思うツボではないだろうか。
 この映画の曖昧さ加減が好きだ。ミケランジェロは自分の好きなことにしか興味がなくて、美術館に行ってはわかったようなわからないような間抜けヅラして作品を眺め、目の前で一緒にいた女の子が食べられたのに、腑抜けになったのか何も考えていないのか、恐ろしいまでに無気力にぼや~っとテレビを眺めて。カッコつけてる割にちっとも頼りにならない典型的な引きこもりオタクで、「ああこれって俺じゃん」という感覚が抜けなくてちょっと居心地が悪かった。時代の空気をよく捉えたキャラクターである。
 タマラの目的もとても曖昧で、とりあえずオリオン座に行って、自分を縛りつけている「永遠に1歳を繰り返す」運命をとりあえず変えに行くというのだ。タマラの言うオリオン座は太陽がまぶしい楽園なのだが、本当にそんな所だという保証はないし、そもそもそこにたどり着けるという保証さえない。それがとてもやるせない。だいたい、タマラの目的はとても暗い。束縛的な輪廻を脱し、永遠の死に就くための旅だなんて。
 この映画のテーマは「大人になるとは何か」ということだと思っている。タマラがオリオン座に行くと言い残して宇宙の彼方に消えてゆくラストに至って、我々もタマラと同じ旅をしているのだと気づかされる。安楽な束縛を抜け出し、ことによってはいつか自分を否定しなければならないであろう、ということに誰もが自ら気づかねばならないのだ・・・
 ファッキンな一日は、誰を待つこともなく残酷に始まる。
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by chuoeiken | 2005-07-10 01:06 | アニメーション
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