市川崑監督作品/岸恵子 主演/原作 山本周五郎/脚本 和田夏十・竹山洋 うーん、久しぶりに泣きました。何って?映画で。涙の量で言ったら小学生のときに観た『火垂るの墓』くらい。ってそりゃもう号泣じゃねえか。いえいえ、違うんです。何が?質が。・・・しつこくてすいません・・・。 日本は天保末期、江戸の庶民たちは飢饉により貧しい生活を送っていた。そんな中、身よりもない、金もない青年・勇吉は長屋のある一家が金を溜め込んでいることを聞いて泥棒に入る。(オガサワラ) 無理もないですね。勇吉はその話を居酒屋で耳にするんですが、その前の店員とのやりとりが ―「なんになさいましょうか?」 ―「酒くれ、酒」 ―「肴は?」 ―「塩。」 塩って・・・、果たして当時の居酒屋で塩に金がかかったのかは分かりませんがマジで貧乏なんですね。さあ、一方でお金を溜めている家族は写真にあるように六人家族、母ひとり、娘ひとり、そして息子が4人。お金を溜めているのは大工である長男・市太の仲間にあげるためです。ありえないですよね。その大工仲間は源さんといって生活に窮して金を盗んで牢に入れられ、これから出所してくるって人物なんですが・・・。 そんな家に入っちまうのです。勇吉は。誰も起きていない、と思って入ったらなんとその家の「かあちゃん」だけは起きていた。若者は恫喝しますが、根がいい人間だからなのか、どうも締まらない。そして貯金の理由を聞かされて驚愕。うん、これには共感。 「出て行くよ・・・」と戸を開ける。ところが「かあちゃん」はこの泥棒を引き止める。身寄りがないことを察したら、家に「遠い親戚」として住めばいい。そう提案するのです。その日から家族との共同生活が始まる。そして新しい家族として勇吉のこころは開いていくのだが・・・。 さっきも言ったけど質が違うのです。エンドロールに入るまえのラスト一分、まるであったかい滝のような感情が観るひとのなかに流れます。これを機に山本周五郎の小説、読んでみようかな。
by chuoeiken
| 2006-01-23 01:26
| ヒューマンドラマ
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