フランドル
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炸裂する静寂。













極端に違う二つの世界を平行して描く手法に、恍惚を誘う違和感を覚えさせられる。フランドル地方のハッキリとした四季・自然、その移り変わりの中で少女・バルブの極めて脆い感情と、無為なセックスが描かれる。一方で、彼女に想いを抱くデメステルはフランドルを離れ、荒涼とした中東で、兵士として戦闘に明け暮れる。彼が麻痺を始め、罪を犯していく様が、少しずつ漠然と織り上げられていく。
叫び声と爆音、銃声でこちらの耳に訴えてくる大音量とは裏腹に、観る側は強い静寂に包まれる。首筋が撫で上げられるような美しいカットが連続する中、感動は一向に波打とうとしない。ヌルリとエンド・クレジットが始まった瞬間、僕は自分の感動の薄さに少し驚いた。
無論、強力な感動が無かったから駄作だ、とは言えない。普通人間が感動とは表現しない、動揺の表層といえば良いのか、感動の浅い部分にある薄膜の中で、呼吸を制限されるような映画だった。固定された自然の中に人物が入り込む度、人間の表情や無機物を偏執的に捉えられる度、そんな思いを認知させられた。

ブリュノ・デュモン監督は、芸術を作っているつもりしかない、と語る。そして、いっそテロルでもって表現したいとも語っている。人を楽しませる「ためだけ」の作品は芸術ではない、また人を苦しめるものも芸術たり得るのだと痛感した。

渋谷で久し振りに迷った 某三年生
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by chuoeiken | 2007-05-19 09:41
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