不器用な映画である。登場する人たちのほとんどが社会に適応できない変わり者ばかりという映画だ。この映画ではさまざまな人のさまざまな生き方を垣間見ることができる。しかし、人生はこう生きろなどと決して言おうとはしない。自分と向き合うことを考えさせる映画である。ハイスクールを卒業して大人の仲間入りをし、社会に身も心も拘束され社会の手となり足となるのも自分だし、それを拒んで自分の好きなように生きるのも自分である。自分を持ってさえいればどんな生き方をしたっていい。しかし、自分が自分を見失ったときに悲劇は訪れる。 この映画でのいわゆる悪役は、他人が持っている「自分」を否定し、排除しようとする人である(イーニドの絵をどかしてしまう人とか)。人がお互い存在している限り、そうしたことは絶えないのだろう。そうした現状を体現しているのは、「ゴーストワールド」という町そのものではないだろうか。人や建物などあらゆるものが淘汰され、しかしそれでもいつまでも自分の存在は残り、いつしか自分の町というものを見失ってしまった町。人や建物もその町の中ではゴーストに過ぎない。 ところであの謎のバスは、ゴーストワールドという町が生んだものではないだろうか。自分を見失った人たちがいつしか乗るバス。自分を見失った人たちの痛みがわかる町だからこそ生まれたバス。ゴーストワールドは、そうした人たちの望むとおりの地へ運んでくれるのだろうか。それはまったく保証できない。だが私たちも、単にバスの存在に気づいていないだけなのかもしれない。私たちは、行き先の書かれていないバスに元から身を任せるしかない運命なのだ。 鈴木 ビデオ屋さんで偶然見つけて、あれ、これ誰かレビュー書いてたやつじゃん、て思ったから見た。実際見た後に鈴木君のレビューを見るとマジで圧倒されてしまう。僕は・・・「山の郵便配達」を見た後にゴーストワールド見たからあ~やっぱアジアとアメリカは文化自体が違うよね~とか思ってただけでしたわい。バカ丸出しですねはい。 宮寺
by chuoeiken
| 2004-10-31 22:18
| 青春映画
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