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ポワゾン
b0040244_131937.jpg やっぱりアンジェリーナ・ジョリーはすごい、と改めて感じた映画だった。何がすごいって演技がすごい。彼女が魅力的なのは、スタイルがいいからでも、顔がいいからでも、難民救済活動とかで有名だからでもない。演技が上手いからだ。あくまで僕にとって、だけど。

実際、冒頭でアンジーがアップになる場面で、「あれ、こんなもんだっけ、あんま綺麗じゃないじゃん」、とか僕は思った。設定は誰もが認める美女というものだが、それにすら疑問を抱いてしまうほどだった。だが、ストーリーが進むにつれ彼女は役にとけ込んでいって、最後には少し感動すら覚える結末を見せてくれた。

悪女とそれに騙される金持ち男、という軸で話は進む。まあ、実際にストーリー上かなりの悪女であったしあまり同情の余地はないといえるかもしれないが、それでもそう、結末、ラストのシーンでは純愛という言葉が似合う結果を見せてくれた。
「I love you.」なんてハリウッド映画では腐るほど聞いたセリフだけど、アンジーの最後の泣きながらの「I love you.」はとても心を震わせるものだった。

この映画の宣伝映像の日本版で、「R18の純愛」というキャッチコピーを使っているのだが、それなりにうなずけるキャッチだと言える。R18にひっかかりそうな映像は確かにあったが、それらが必要であったかどうかはともかく、話の流れに上手く乗っかっていていやらしさをほとんど感じさせなく、一応純愛といえるストーリー(疑問を持つ人は多いかもしれないが)に水を差すものでは全くなかった。 

最後に、アンジーの唇について。これはすごいよ。しかもアップが多い多い。しょっぱなの唇アップには正直度肝を抜かれてしまったのでした。あれは、あればかりは魅力的というか・・・すごいとしか言いようがない。
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                                              宮寺
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by chuoeiken | 2004-12-30 01:46 | ラブストーリー
火山高
簡潔に言って、ストーリーがお粗末な中途半端アクションバカ映画、といったところか。

確か随分昔にCMかなにかで宣伝を見て面白そうだな、と思って、あり得ないバトルシーンを見て笑いたいな~と思って借りたビデオだったのだが、笑いどころがいまいち足りなかったような気がする。

序盤はなかなかドラゴンボール風アクションが続いて笑えたのだが、中盤はアクションに徹するのでもない、ストーリーが練られているのでもない、なんとも退屈な展開になってしまっていた。
アクションならアクションに徹して、エネルギー波打ちまくるとかあり得ないバカなバトルを繰り広げまくって欲しかったのだが、その期待に反して主人公はバトルに乗り気でないなどと、何とも半端な印象が残ったのだった。

その点で、例を出すには少し唐突だが、少林サッカーは違う。あの映画はストーリーはわかりやすくシンプルで、何より笑いどころを心得ていた。火山高も、登場人物のキャラの設定は面白かったし、それをもっとたてて笑いをアクションなどで追求していけばもっといい映画になったのでないかな、と思った。

とまあ言ってみたけど、日本の映画と比べて韓国のもののほうがクオリティが上回っていることは明らかだな、ともやっぱり感じた。何かと文句はつけたものの日本じゃまず作れなかった映画であることは確かだと思うし(アホさ加減、ワイヤーアクション、などいろんな点で)、もっと日本でもあっと驚くような映画がバンバン出てくるようになって欲しいな、と自分の国の映画文化を少し憂うのであった。だって俺、日本映画ってだけでなめてかかるからね。映像、ストーリー性問わず。      

                                                 宮寺
 
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by chuoeiken | 2004-12-29 20:05 | バカ映画
舞踏会の手帳 (1938・フランス)
 夫に先立たれ、未亡人になってしまったクリスティーヌは結婚して以来、ずっと屋敷にこもっていた自分に戸惑いを感じる。そんな時、執事が彼女の手帳を見つけて言う。
 「これは何です。アラン、エリック、ミシェル…男ばかりだ」
 「私に恋をささやいた男たち。『一生・・・一生愛します』 と・・・」
 クリスティーヌは思い出していた。16歳のとき、初めて舞踏会にいった日のことを。
 そして彼女は旅に出ることにした。舞踏会の手帳に記された何人もの男の名前をたよりに。

 男と女の悲しみが共生している映画だと思いました。クリスティーヌと再開したその後の男たちは様々ですが、その全てに僕は共感することができた。それと同時に女の気持ちも胸の中が痒くなるほど伝わってきます。
 この作品で、僕は白黒映画の良さを知りました。それまでは中々受け付けない面があったのですが、その構成の面白さと(そう、この映画は構成が面白いのです)、「色」という情報がないぶん引き立つ演技者の表情と瞳の輝き、背景の奥行きで、時間は瞬く間に過ぎてしまいました。古き良きものを見たなと言うよりは、新しく何かを見つけたと言う喜びが大きいです。

                                               小笠原
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by chuoeiken | 2004-12-27 01:52 | ラブストーリー
 木を植えた男  フレドリック・バック/カナダ/1987
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 この作品は30分足らずのアニメーションだ。といっても、ただのアニメではない。テレビで流れている漫画の延長線のそれではなく、「絵画」が動くのだ。美術館で観るような情緒ある絵だ。監督のフレドリック・バックはこの作品に4年半費やした。色鉛筆で2万枚もの絵を描いてこのアニメーションを創り上げたのだ。
 驚いた。やわらかいタッチの絵画が奏でる物語は、三国連太郎のナレーションと共に自然と私の心の中に入ってきた。何故、これほど私の心を打つのだろうか。それは恐らく、この作品が何らかの事件が起き必ず何人か死ぬような映画でもなく、ドラマティックな恋愛や深刻な心の悩みを描いたものでもないからだろう。私はそんな手管映画にうんざりしていたのだ。最近観た映画がことごとく駄作だった、というのもその理由の1つではあるが。もちろん、ほとんどの映画は先に言ったようなジャンルに分類される。観客はそういう映画に感動したり、興奮したりする。当然だ。それが人というものだ。だが世界はそれだけで成り立っておらず、それだけでは世界を取りこぼしてしまう。「木を植えた男」は数多くの実写映画やアニメとは別の世界を描いているように思える。すなわち、独特の1つの視点だ。
 妻も子も失った男は、荒地で毎日木の種を植え続けた。何年も、何十年もである。次第に荒れ果てた土地は林になり、森林になり、山を覆い尽くすような森になった。男は1人で生きていた。自分の生き方に誇りと自信を持っているようだった。男は誰がいなくても、たった1人で生きていくことが出来た。自分がやっていることに、本当の意味でのやりがいと心底からの喜びを感じていたからだ。
 この作品は他の映画とは違う。普通、映画は人間関係の上に生ずる。または何らかの対立によって成り立っている。この作品にはそれがない。1人の男がひたすら木を植え続けるだけだ。男の心の葛藤など描かれていない。それなのに、これほど人を感動させることが出来るのだ。この作品が1人の人間の存在の大きさと、自然が、森の木々が、どれ程人間にとっても大切であるか切に訴え掛けてくるからであろう。
 優しい作品だ。その優しさは厳しさでもある。人間がいつまでも戦争を止めず、現代人の生活そのものが環境汚染を深刻にしていることへの痛烈な批判だ。人々はきっと、もっと優しく生きられるはずだ。理屈を抜きにしてそんなことを感じさせてくれるこの作品は、素晴らしいアニメーションだ。

                                          三橋 慶太
                               
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by chuoeiken | 2004-12-18 19:35 | アニメーション
バットマン リターンズ
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 もちろんほかのバットマンシリーズは観ました。でもなんと言ったって第2弾である本作がずば抜けて印象的です。にわかにティム・バートン映画を観始めて数日。この映画に出会って完全にブチのめされました。
 オープニングからしてただ事じゃない雰囲気が漂っています。バートンの「さあ作るぞ!」という意気込みが聞こえてきそうです。前作はどうも制約がかった作りという感じがしましたが、バートン自身、「この映画は前作の続編ではない」と公言しているように、今回は手放しでバートンの映画だ、と実感することができます。バートン作品常連の音楽担当であるダニー・エルフマンも実にいい仕事をしています(この映画のサントラは隠れた名盤です)。美術面も隅々までバートンの美意識が行き届いていて、観ているだけで楽しいです。
 人間界から見放された動物超人の三つ巴。「どうせおれのことなど誰もわかってくれない」なんてオーラというか怨念を出しまくり、いわばハードボイルド版「シザーハンズ」とも言うべき内容の超プライヴェート映画に堂々と「バットマン」と銘打って世に出してしまうティム・バートンって、つくづくステキな人です。
 一人っきりのクリスマスにはもってこいの映画ですよ。ん?なんか聞こえた?

 ↓ネタバレ全開です。(前作と「ビッグ・フィッシュ」を未見の方はご注意・・・)
                                                  鈴木

ヒーローもののタブー
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by chuoeiken | 2004-12-18 00:15 | SF
グッバイ、レーニン!
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 ドイツという国が東西に分断されていた当時、ある青年アレックスの母は熱心な社会主義支持者だった。ある日母親は心臓発作を起こし、昏睡状態に。やがて意識を取り戻したが、その間に社会主義が敗れ、ドイツが統一したということを母は知らない。アレックスは母にショックを与えまいと、ドイツは今も社会主義国であると信じ込ませ続ける・・・。
 という話ですが、それほど家族愛に焦点を合わせすぎず、あくまでこういう家族もいたかもね、と一歩距離を置き、教科書には載っていないアプローチで歴史を見つめる話です。
 この映画で東西統一という事件は、少なくとも最初はおおむね悪者として描かれます。世間の流れに逆らって昔のドイツの品々を集めるアレックスの姿は、統一後自らのアイデンティティの所在に悩むドイツという国そのもののようであります。突然東と西が仲良くやっていくことになり、それに抵抗を覚えた人たちもいたことでしょう。
 東西統一そのものが悲劇ではなく、それによって自分の信念が失われてしまった人がいるというのが悲劇なのです。しかし、社会主義は敗れはしたけど、消滅したとは思えません。完全に資本主義に屈服することを嫌い、お互いに助け合うことを基調とした社会主義の意志は、脈々と国民の意識下に流れているのだろうと思いました。病床にいながらも国のことを思い続ける母親の姿を見て、信念を持ち続けることはすばらしいことである、と感じました。社会主義先導の象徴であるレーニン像が、母親に向かって手をかざした(ように見えた)シーンには、何か深い含蓄を覚えます。
 最終的に、この映画は東西統一に反対する話ではないことがわかります。ただ、昔のドイツがあったことを忘れないでほしいと主張しているのです。「グッバイ・レーニン!」と叫び、ドイツは「壁」をつき壊して独立して歩むことを決意しました。それは、かつてのドイツが信念を持ち続け、希望を捨てなかったからこそ成し得たのだと思いました。
 話はそれますが、ドイツ映画には不思議な情熱がある、と常々思っています。子供っぽいというか、純粋な熱意というか、悪く言えば先走ってるというか。ひたすら母のために、母のためにと昔のドイツを部屋中演出するアレックスや、ほかの映画で言うと、「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」で、死期の近い男たちが、人生の目標を達成するためにやりたい放題するとか。どこかおかしくて、どこか哀しげなその姿は、僕たち日本人には理解しにくいところではあります。東西分断、自分の国が引き裂かれてしまうという異例な事態を脱した国でないとわからないことなのかもしれません。しかし、ただひとつの目標のために、全身全霊ささげる姿は、誰でも大いに学ぶところがあるのではないだろうか、と感じました。
                                                  鈴木
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by chuoeiken | 2004-12-12 10:36 | ヒューマンドラマ
シザーハンズ
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 そういえばティム・バートンの映画って最近のしか観てないなと、ふと思いました。だから僕は、昔からのバートンファンは辟易したといわれる「ビッグ・フィッシュ」の暖かさも素直に受け入れられたんですね。ティム・バートンってどんな人だったっけ・・・というわけで今更ながら「シザーハンズ」を観たのですが、初期のバートンを知るにはこの映画で十分だろうか、なんて感じてしまいました。
 手がハサミでできた人造人間エドワードの姿を見たとたん、驚きました。ありゃっ何でティム・バートンが映画に出ているんだ?と。髪がボサボサで、無邪気で、植木や髪を切るハサミの使いこなしは天下一品、なのに日常ではまったくのぶきっちょ。監督のことは良く知らないのですが、バートンってこんな人なんだろうなあ、とニヤリとしてしまうのです。
 すごく話の運びが強引なんですよね。それもバートンの味なんですが。ヒロインはエドワードに重荷を負わせすぎじゃないかとか、あまりに人間のエゴが過ぎる話じゃないかとか。しかしこの作品にツッコミは無用。バートンが自分の分身であるエドワードをとことんいじる、究極の自虐映画ですから。バートンのダークサイドを初めて体感しました。エドワードがあんまり哀れで、胸がつまるどころか、息がつまりました。今年最大の衝撃だったかもしれません。ああ・・・

 エドワードはなぜハサミを持っているのか。この映画でそれに対する答えは出ません。そもそも、それはあまり不思議なことではないのかもしれません。エドワードにとってのハサミは、まさに彼を特徴づけるシンボルで、人にはない彼の個性です。植木や髪を切って人を喜ばせられるが、直接人に触れて喜びを伝えることはできない。自分にしかないものって、人を喜ばせられるかもしれないけど、それを持っている自分自身は結局孤独なんですね。この気持ちは誰にも当てはまるものではないでしょうか・・・誰でも心にハサミを持っているはずなんです。月並みな言い方ではありますが・・・
 わかりやすいファンタジーのようで、とても大人な、深いおとぎ話です。なぜ人は愛したいだけなのに、人を傷つけたりしてしまうのか。そのとき僕たちは、ハサミの手を持った哀れな人造人間を忘れているのかもしれません。

P.S. この映画を観て、ああこれがティム・バートンなのか、とあらためて感服しました。こうやって見るとなるほど「ビッグ・フィッシュ」はかなり異例の映画ですね。今一度「ビッグ・フィッシュ」を観ると、今まで見えなかったものが見えるかもしれません。
                                                  鈴木
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by chuoeiken | 2004-12-08 01:25 | SF



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