吉本ばななの小説『TUGUMI』を映画化。 僕が吉本ばななの小説に出会ったのは受験生の頃です。 たしかセンター試験(だったと思う)の過去問に『TUGUMI』の抜粋が出ていて、解答し終わった後、すごく爽やかな気分になったのを覚えています。ハタから見ているとやばいですよね、試験問題解き終わっても、しばらく問題の文章を眺めてニンマリするなんて。その日は予備校の帰りに古本屋に立ち寄って原作を買いました。 ところで、文庫版のあとがきにこんなことが書いてあります。 ――突然ですが、初恋をおぼえていますか? その人と自分がいっしょに歩くようになるだけで世界はうまくいくだろうと信じていた頃を。あの清らかなエネルギーを。 この小説はその頃の世界観、宇宙観で描かれています。とどめるのは、とてもむつかしいあの、独特に美しい丸い風景です。 宇宙観!そう、僕はこの世には、女性にしか持てない宇宙があるんじゃないかと思うんです。それはまさしく作品に登場するつぐみの様にわがままで傲慢であり、それが一つの透明な景色として完結している。そこには社会的な倫理観や観念なんて入ってこれない。 でもその宇宙には寿命があって、気が付いたら外の空気と混ざっている。 映画ではその過程が「夏」という季節を通して繊細に表現されています。監督は市川準。そういえばもうすぐ彼の最新作『トニー滝谷』が公開されますね。いや、もうしてたっけ。 小笠原
by chuoeiken
| 2005-01-21 16:20
| 青春映画
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