ルールズ・オブ・アトラクション
b0040244_20563298.jpg 僕の周りでは不評だったようですが、僕はえらく気に入った作品です。大学に入りたてでいわゆる五月病のようになっていたときにこの映画に出会い、非常に助けられました。
 よく「ダサかっこいい」映画ってありますが、この映画はひたすら「ダサダサ」系です。役者が演技を超えた演技をしてて、みんなそろってダメダメで、いとおしくなる。ストーリーというストーリーがなく、映画というよりは本当に大学生の日常のひとコマを捉えただけという感じもまたいいです。みんなダメダメなのに、やたら周りの風景が美しく写っていて、それがまたなんとも言えない物悲しさをかもし出しています。
 これは僕としては他人に勧めたい映画です。特に、何か新しいことを始めて周りになじめないでいる人に勧めたい。ぜひこの映画を観てください。ただしこの映画は観客を助けようとしないし、むしろ何もしてくれません。だからこそ、観てて安心できるのです。



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 最近の学生は、この映画のように、無気力だと言われます。それは、自分の身の回りが豊かになりすぎたために向上心が削がれ、また、生まれたときから豊かな生活を享受しているために、この先何を望めばいいのかが見えなくて恐れているからだと思います。
 それは甘えだと言われても仕方がないかもしれません。しかし学生たちは、身の回りは豊かなのにもかかわらず自分の心の豊かさがそれに伴ってなくて、矛盾に陥っているのだと思います。ハングリーさを知らない学生たちは、向上するより前に、まず「堕ちる」ことを望んでいるのではないかと思うのです。僕もたまになぜだかわからないのにやる気がむくむく起こることがありますが、そういう時は何だか自分が自分でないようで気味悪いのです。そう簡単に自分に満足せず、常に何かでグチグチ悩んでいるほうが気が楽です。
 「大学デビュー」という言葉がありますが、つくづく底の浅い言葉だと思います。大学に入ってちょっと心機一転するだけで人生が変わるんだったら誰も苦労しません。僕も大学に入ってみたものの、得たものといえば希望とかではなく、あまりに広すぎる世の中に対する恐怖と、それに対してあまりに器の小さい自分への絶望でした。しかし、そんな中で学んだものがあるとすれば、僕が今まで意識したことのなかった「自分の限界を見て、欲張らず、力を抜いてみる」ということだった気がします。力を抜いてみないと、出来ることも出来ないからです。まず自分の限界を知り、自分は万能ではないということを悟ったあと、その中で自分は何が出来るのかを見極める。その過程を経ずして、本当の大学デビューなど出来るでしょうか。五月病で自分に対して悩むことはまったく忌むべきことではなく、むしろ通過儀礼でさえあると思うのです。
                            鈴木
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by chuoeiken | 2005-09-29 21:45 | 青春映画
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