シンデレラマン(監督ロン・ハワード、米、05年公開)
 
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 ハリウッドの王道を往く傑作である。近年、これ程までに主人公に感情移入できる米映画は皆無である。ロン・ハワード監督作品(『アポロ13』、『身代金』、『ビューティフルマインド』など)の中でも、最高の出来であると言っていいであろう。その最大の要因は、主人公ジム・ブラドッグの人物像にあると言える。
 時代背景が、ブラドッグの人物像を浮き彫りにする。すなわち、1929年に起きた世界大恐慌である。ボクサーであるブラドッグも、休みなく試合をしなくては家族5人が生活出来ない状況に追い込まれるのである。さらに、連戦がたたった怪我をし、観客を喜ばせる試合が出来なくなってしまう。それが原因で、ついにはボクサーの免許まで剥奪されてしまうのである。いわゆる、「リストラ」である。バブル崩壊を経験した日本人であるならば、誰でもブラドッグに感情移入してしまう筈である。
 そんなブラドッグが他の何よりも大切にしているのは、家族である。最近の米映画では、「敵」から家族を守るという映画は腐るほどある。しかし、貧困から家族を守る映画は、少なくとも近年のハリウッド映画では、『シンデレラマン』だけである。この作品が感動的なのは貧困に直面することによって、人間の本質が露わになるからである。すなわち、ブラドッグが家族を想う気持ちが真に伝わってくるのである(ボクシングの試合などから)。
 『シンデレラマン』は監督、脚本、役者と三拍子揃っている。今年度の米アカデミー賞の主要部門の大半を獲得してもおかしくない見事な作品である。
                        三橋 慶太
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by chuoeiken | 2005-10-26 18:31 | ヒューマンドラマ
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