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もののけ姫はこうして生まれた。
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 もの凄いエネルギーを感じる。映画(アニメーション)を作るのは是ほどまでの膨大な作業が必要なのか、ということが実感できる「作品」である。その作業をこなすチームのリーダーである宮崎駿が、どれだけパワフルな男かが伝わってくるのである。
 もののけ姫の製作当初から公開までを追う。すなわち、今やブランド化した「スタジオジブリ」という製作会社の実態に迫るのである。インタビューでは決して伝わらない「気迫」がスタジオ内に満ちている。宮崎はアニメーターから上がってくる作画に、殆ど納得しない。全て自分で手をいれ、徹底的に直していく。時には上がってきた作画を全て捨ててしまうことすらある。しかし、宮崎の仕事はそれだけではない。同時並行で作品の設計図である絵コンテを描いていくのである。今や国民的娯楽になった作品群は、一人の巨大なエネルギーの塊の下で作られているのだと再認識させられる。
 鈴木敏夫もやはりただものではない。宮崎駿にあれだけ率直に意見をいえるのは、この男だけである。電通や東宝の社員の前で、ジャージで胡坐をかいて宣伝会議をする。作品に関わる場所であればどこにでも顔を出している。鈴木敏夫の表顔でないときに表れる独特の雰囲気が、画面を通して伝わってくる。鈴木もまた、宮崎駿と同様にエネルギーの塊なのである。
 この男達の仕事ぶりを見ると、何か奮い立ってくるものがある。宮崎駿が表舞台(マスコミ)に姿を現さなくなった今となっては、貴重なドキュメンタリーである。
                  三橋 慶太
 
by chuoeiken | 2005-10-31 16:27 | ドキュメンタリー
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