なんとも人前でいうのが恥ずかしい邦題であるが、映画自体の出来はよく、かなり好感の持てた作品だった。ストーリーは、ワーカホリックなドイツ人女性シェフマーサが、陽気なイタリア人シェフマリオと出会い徐々に本当の料理の楽しさを見いだしていくというありがちといえばありがちなストーリー。
同僚と同じテーブルで食事をするときは一人そっぽを向き本を読んだり、「午後は食べないの」と言って食事すらしなかったりと料理を「作る」以外には興味を示さず、料理を「楽しむ」ことを知らないマーサ。その頑なな姿勢がマリオとの出会いを通し徐々に変わっていく過程は見ていてとても清々しいもので、序盤のぎこちないマーサの笑顔と中盤から見られる本当に楽しそうな彼女の笑顔とでは明確な違いが見てとれて、それだけに後者の笑顔はとても美しく貴重なものに感じられた。序盤は白を基調にしたシーンが多く、そのあたりもマーサの変化を表すのに一役買っているのかな、と思ったりしたがいまいち理解はしきれてないですハイ。 母親を亡くした姪リナとマーサの関係を中心に物語は進行していくのだが、仕事一筋で姪との関係が上手く築けないマーサを助け、親を亡くしたショックから食事すらまともにとらなかったリナの心を開かせていくマリオの手腕には脱帽だった。その明るさから来る彼の魅力はイタリア人がもてるという事実を妙に自分に納得させるまでの威力をもった。 この映画はドイツ映画なのだが、やはりヨーロッパ映画はハリウッドとは違った魅力がある。 いかにもハリウッド、という映画があまり好きではない僕だから、こういう映画に結構好感を抱いてしまうのかもしれない。爆発とかセックスとかそういうのがあればいいって訳じゃないと思うわけである。 完全に個人的な意見になってしまうが、ラストあたりのシーンでウエディングドレスを着たマーサはとてつもなく綺麗だった。三十代という設定らしいがそれまで映像を見てきた印象だと四十代にすら見える程、美人だけどちょっと老けてるといった感じだけに、これほどまでにウエディングドレスが似合うとは思っていなかったからだ。本当の意味で笑えるようになると、本当の意味で人生を楽しめるようになると、人はあそこまで美しくなれるものなのだろう。・・・うまくまとめられたかな? 宮寺
by chuoeiken
| 2004-11-14 01:49
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