カテゴリ:ラブストーリー( 9 )
遥かなる山の呼び声(監督山田洋次、1980)
 
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 メロドラマかもしれない、人情ドラマに過ぎないかもしれない。だが、山田洋次の「遥かなる山の呼び声」は傑作である。出演は高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆。彼らの魅力を存分に発揮し、その「くさい」ドラマに説得力を与えている。ハッピー・エンドが陳腐に思えるのは、登場人物の心の深遠や、人と人が触れ合う温もりをしっかり描けていないからである。
 北の国というシチュエーションが、無駄なものを省かせ、本質的な事を見つめさせるのだろうか。この映画は、物語はシンプルでテーマは極めて本質的である。すなわち山田洋次がどの作品でも一貫して描いているテーマ、「幸せとは何か?」という問いかけがよりストレートに伝わってくるのである。男と女が心に抱えている闇を語ったとき、それすらも互いに受け入れたとき2人は「夫婦」になったのだ。よくある話に思われる。だが、この作品がほかのそれと違うのは脚本であり、役者であり、場面設定が素晴らしい点である。
 今の日本映画が失ったものが、この作品にはある。最近の映画は、なんでも「汗」をかかないものが多い。登場人物に「生活感」がないのである。生きているという事は、もっと生々しい事のはずである。それは極めて本質的なことである。「汗」かく映画は、現代人にも響くはずなのである。「生活感」がある映画にこそ、本当にしみじみとした「感動」がるのである。
                  三橋 慶太
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by chuoeiken | 2005-10-31 16:31 | ラブストーリー
2046
b0040244_23365918.jpg こりゃーサッパリ意味がわからなかった。自分にとって「ドリーマーズ」以来の拷問映画。でも一応ポリシーに従って最後まで観ましたよ。最近のDVDプレイヤーは優秀で、2倍速にしてもわりとちゃんと音が聞き取れるんですよね。
 だって全然イメージしてた映画と違うんだもの。2046でアンドロイドでなんていわれたら、絶対「ブレードランナー」みたいな世界を想像しちゃうじゃないか。日本語しゃべるそば屋の親父がひょいと出てきそうじゃないか。しかしこの主役の絶倫オヤジ、全然ふたつでじゅうぶんなんかじゃない。2人どころか、3人も女をたらしこみやがって。ヒゲがキモイんだよバーカ!
 2046とは一体、なんて話す気にもならない。思い出しただけで頭が痛くなる。だから自分で勝手にこう解釈した。「どうせ今の若い衆はこの映画のことは意味わからんだろうから、せいぜい2046年になってから見返してみるんだな。ヘッ」という監督のメッセージであると。2046年とは、ずいぶん明確な予言である。そのころになれば僕にもこの映画のことがわかるというのだろうか。監督はノストラダムスだったのか。
 2046年、僕は62歳。そのころ男とは女とはと理解できたとしても、とっくに勃たなくなってるだろう。性の楽しみを失うころに本当の愛が理解できるだろうとは。ずいぶんみみっちい予言をするノストラダムスじゃないか(←深刻な被害妄想)。
 唯一この映画で見るところがあったとすれば、フェイ・ウォンのアンドロイドがとても美しかったこと。しかしそのときはもう2倍速で流していた。もっとじっくり観たいと思っても時すでに遅し。後から観返す気力もなかったし。大切なものはいつの間にか過ぎ去って、それに気付くのはいつも失ってから…なるほど、これが愛の姿だったのかもしれない…
 なんて絶対言ってやんないからな!
                            鈴木
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by chuoeiken | 2005-10-14 00:13 | ラブストーリー
エターナル・サンシャイン
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 これからこの映画を観たいと思っている方、できれば3回は(!)観てください。最低2回でもいいです。1回観ただけじゃどうしようもありません。んな無茶なという方は、ビデオが出てからでもかまいません。とにかく休日を総動員してでも2度も3度もじっくり観ることを強く勧めます。まあこれは、はじめ観て何がなんだかわからなかったけど、なんかこの映画が嫌いになれない、むしろ好きになりたい、と感じた人に限りますが。
 まさにそれが僕でした。僕は3回観てようやくこの映画を好きになれました。3回目のときは、ファーストシーンからもうしびれっぱなし。映画のディティールひとつひとつにもうやられっぱなし。そりゃ単にお前が話の飲み込みが悪い、映画館にとっていい客なだけなんじゃねーの、と言われたらそれまでなんですが、単純に精神的な意味でも、この映画は繰り返し観たほうが絶対感動できると思うんです(確かに話の飲み込みの悪さは否定できませんが)。そして目下はサントラを聴いて何度も感動しています。なんだか自分でも怖いです。
 こんな一人の観客を3回も映画館に来させて、しかも観るほど味の出る粋な脚本を作って、挙句の果てにはアカデミー最優秀脚本賞を取っちゃうなんて、チャーリー・カウフマンって人はなんてやり手で意地悪なんでしょう。思うにこの映画は、甘口で受け入れやすいラブストーリーとして宣伝されすぎている気がします。つい油断して観に来てしまいましたよ。だから悪いのはチャーリー・カウフマンじゃない。悪いのは日本の宣伝部だ!ギャガだ!そして俺だ!
                            鈴木

ネタバレ全開。3回観てから読んでください(ウソです)
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by chuoeiken | 2005-05-03 01:22 | ラブストーリー
ポワゾン
b0040244_131937.jpg やっぱりアンジェリーナ・ジョリーはすごい、と改めて感じた映画だった。何がすごいって演技がすごい。彼女が魅力的なのは、スタイルがいいからでも、顔がいいからでも、難民救済活動とかで有名だからでもない。演技が上手いからだ。あくまで僕にとって、だけど。

実際、冒頭でアンジーがアップになる場面で、「あれ、こんなもんだっけ、あんま綺麗じゃないじゃん」、とか僕は思った。設定は誰もが認める美女というものだが、それにすら疑問を抱いてしまうほどだった。だが、ストーリーが進むにつれ彼女は役にとけ込んでいって、最後には少し感動すら覚える結末を見せてくれた。

悪女とそれに騙される金持ち男、という軸で話は進む。まあ、実際にストーリー上かなりの悪女であったしあまり同情の余地はないといえるかもしれないが、それでもそう、結末、ラストのシーンでは純愛という言葉が似合う結果を見せてくれた。
「I love you.」なんてハリウッド映画では腐るほど聞いたセリフだけど、アンジーの最後の泣きながらの「I love you.」はとても心を震わせるものだった。

この映画の宣伝映像の日本版で、「R18の純愛」というキャッチコピーを使っているのだが、それなりにうなずけるキャッチだと言える。R18にひっかかりそうな映像は確かにあったが、それらが必要であったかどうかはともかく、話の流れに上手く乗っかっていていやらしさをほとんど感じさせなく、一応純愛といえるストーリー(疑問を持つ人は多いかもしれないが)に水を差すものでは全くなかった。 

最後に、アンジーの唇について。これはすごいよ。しかもアップが多い多い。しょっぱなの唇アップには正直度肝を抜かれてしまったのでした。あれは、あればかりは魅力的というか・・・すごいとしか言いようがない。
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                                              宮寺
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by chuoeiken | 2004-12-30 01:46 | ラブストーリー
舞踏会の手帳 (1938・フランス)
 夫に先立たれ、未亡人になってしまったクリスティーヌは結婚して以来、ずっと屋敷にこもっていた自分に戸惑いを感じる。そんな時、執事が彼女の手帳を見つけて言う。
 「これは何です。アラン、エリック、ミシェル…男ばかりだ」
 「私に恋をささやいた男たち。『一生・・・一生愛します』 と・・・」
 クリスティーヌは思い出していた。16歳のとき、初めて舞踏会にいった日のことを。
 そして彼女は旅に出ることにした。舞踏会の手帳に記された何人もの男の名前をたよりに。

 男と女の悲しみが共生している映画だと思いました。クリスティーヌと再開したその後の男たちは様々ですが、その全てに僕は共感することができた。それと同時に女の気持ちも胸の中が痒くなるほど伝わってきます。
 この作品で、僕は白黒映画の良さを知りました。それまでは中々受け付けない面があったのですが、その構成の面白さと(そう、この映画は構成が面白いのです)、「色」という情報がないぶん引き立つ演技者の表情と瞳の輝き、背景の奥行きで、時間は瞬く間に過ぎてしまいました。古き良きものを見たなと言うよりは、新しく何かを見つけたと言う喜びが大きいです。

                                               小笠原
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by chuoeiken | 2004-12-27 01:52 | ラブストーリー
バッファロー’66
刑務所から出所したある男は、結婚もしていないのに「妻を連れて帰る」と親に嘘をついたため、通りすがりの女性を誘拐し、「親の前でおれの妻を演じろ」と強要するはめに・・・。
出会ったばかりのある男と、ある女のある1日の話。この先は書きたい放題なので、この作品を未見の方は立ち入り厳禁です。
                                                 鈴木
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違和感だらけの映画
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by chuoeiken | 2004-11-27 22:05 | ラブストーリー
パンチドランク・ラブ
「ハーモニウム」という楽器をこの映画を観るまで知りませんでした。その楽器はリードオルガンともいうそうですが、それはまったく重要ではない。この映画でこの楽器は、なんだか得体の知れない「オルガンみたいなもの」として出てきます。
いきなり楽器の話から始めてしまいましたが、そもそもこの映画にこの楽器が関係あるのかもわからない。だけど、主人公の運命の女性がその不思議な楽器の名前を知っていたこの映画で唯一の人だったというのは、なにか象徴的であると思いました。
この映画に出てくる数々の不思議なファクターはどれも話に関係なさそうで、考えるだけ無駄なのかもしれない。しかし何らかの因縁を想像せずにはいられない。ハーモニウムにしろ、テレフォンセックスにしろ、何か神のいたずらのようなものを感じます。なんというか、普通のラブストーリーを甘いお菓子にたとえるなら、この映画は、化学の実験でできてしまった色はキレイでも絶対危ない液体のようです。それくらいほかの映画と比べものにならない。
深い映画です。それだけいろんなものが混ざり合っているのですから。僕はこの映画を、男性としての尊厳を奪われた主人公を追った話であるととりました。7人もの姉に囲まれる日々にうんざりな主人公。だけど、ラストで運命の人の手添えを受けながら楽器を弾く主人公の姿を見ながら、本当の男としての器は、かけがえのない女性なしに決して生まれないのだろうか、と考えました。
ここでいくら話しても話しきれない。とにかく観てください。そして、自分なりにこの映画を味わってください。独特の浮遊感が心地よい、かなりおかしなラブストーリーです。
                                                      鈴木b0040244_0352494.jpg
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by chuoeiken | 2004-10-23 00:36 | ラブストーリー
恋の門
一言でいって、これは映画ではないです。舞台に近いというか、これそのまま舞台でやってもいけるんじゃない?と思ってしまいました。まあ松尾スズキが監督なのだからしょうがないっちゃあそうかもしれません。しかし、始まりから終わりまでずっと舞台のノリでやられるのはなんだかなあ…。ずるいですよね。だってこの作品はあくまでも『映画』であって、『舞台』ではないのだから。
ストーリーは、オタクと自称漫画芸術家の二人が、価値観の違いを乗り越えて結ばれるという結構王道なラブストーリーです。私は原作を読んではいないのですが、原作とは結構違うみたいですね。役者も良い演技をしており、とくにコスプレマニアのOL・恋乃を演じた酒井若菜は素晴らしいです。それに自称漫画芸術家・門の松田龍平。彼は本当に作品ごとに成長していきますね。彼の出演作の中ではこの作品が一番いい演技をしています。
しかし過剰なサブカル系の方々のカメオ出演は松尾さんの友達自慢にみえるし、舞台的演出は鼻につくし、おいしいところは松尾さん演ずる元売れっ子漫画家・毬藻田がもってくし・・・松尾ファンにはたまらないのかもしれませんが、「結局松尾さんの自己満足じゃん」と思ってしまいました。決して悪い作品ではないのですけどね。笑えるところも結構あるし。b0040244_18315817.jpg
まあ、個人的には塚本晋也と松田龍平のツーショットがみれただけでも満足でしたけれど。

さーばー
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by chuoeiken | 2004-10-18 18:32 | ラブストーリー
アイリス
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 アルツハイマー病という重いテーマを扱ったこの映画、見るきっかけになったのはビデオ屋でたしか感動ものという共通点でいくつか作品を集めてコーナーをくんでいたからだった。見たい映画が最近なかなか見つからない自分はアカデミー賞受賞作、テーマが面白そう、という安易な理由で借りてみた。タダ券もちょうど持っていたので。

 で感想だが、テーマと設定はかなりおいしいのに、それをうまく生かしきれてないかな、といったかんじ。テーマはアルツハイマー、設定は対照的な二人が若いとき結ばれ穏やかな時を経て今熟年夫婦という、感動させる要素がたくさん含まれていそうなものなのに、どうもあっさり話が進みすぎかなといった印象を受けた。とりあえずボケ老人に街を徘徊させてみました、とりあえずボケた妻に夫に対して「I love you.」と言わせてみましたみたいな。こういうとき、自分なら映画としてこうするああするとかを考えずにはいられない。実際自分でつくってみたら全くダメなものができあがるのだろうけど。

 実話に基づくということなので、ストーリーがどうこういう問題でもないのだろうけど、話はまとまっているけど物足りない、そんな印象を受けた。

 あとは、やっぱ湖か何かを泳ぐシーンかな。オスカー女優がもう年とはいえあんなにお腹が出てしまうものなのかと思った。いや、だからこそあの年になって水着でスクリーンに姿を見せたジュディ・デンチを賞賛すべきなのか?

 なんか映画見てから少し時間をおいてしまったので微妙な感想しか書けなかった。ごめんなさい。

                                                  宮寺
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by chuoeiken | 2004-10-10 00:55 | ラブストーリー



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