カテゴリ:SF( 13 )
イーオン・フラックス
b0040244_211052100.jpg 突然ですが、僕は春が好きです。
 以前までは、反抗期らしく、ちくしょう春が何だ桜が何だとか意味もなく敵愾心をむき出しにしてましたが、最近、春が近づいて桜が咲いてくるのを見ると妙に心がうきうきしてくるのを感じて、ああ自分は春が好きなんだ、と素直に降伏(?)するようにしています。桜の色、春の匂い、暖かな陽気、これから始まる新生活への高揚感、これらに一気に襲われれば春が嫌いになれるはずがありません。
 冬が終わって間もないのに、まだ桜も咲いてないのに、何でこんなに春を感じているのだろうと、ちょっと考えてみたらわかりました。この映画を観たせいです。そう、映画の中で桜が咲いてたんです。桜にも春にも縁のなさそうな映画で、ましてや洋画なのに、桜が咲いていた。そんな意外性と、シャーリーズ・セロンの美しさがあいまって、この桜はことさらよく印象に残っています。
 このシーンは本当に美しかったです。桜の香りが感じられるようでした。何でこの映画のテーマソングはケツメイシじゃないんだろうとしみじみ思いました。「記憶舞い戻る…」なんてフレーズはこの映画のテーマにぴったりだと思うんです。桜坂じゃダメです。僕の中の春のテーマは断然ケツメイシなんです。何だかよくわからなくなってまいりました。
 
 えー、それ以外のことはよく覚えてません。まぁ、ぶっちゃけ、これは観なくていいです…
                            鈴木
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by chuoeiken | 2006-03-12 22:53 | SF
マイノリティ・リポート
b0040244_2113064.jpg 前に一度観ていましたが、この前テレビでやっていたのでまた見たら、これが最初に観たときよりも面白かった。最近、お金を出してレンタルで映画を観るよりもテレビで観たほうが面白いという妙な病気に罹っていて我ながら情けないのですが、おそらくそれは、全国で同じ時間にみんながテレビの前にいるという集団心理が作用しているせいだと少なくとも僕はそう思っています。
 この映画を観て、改めて僕はスピルバーグは映画の天才だと思いました。つまり、彼が映像で語る以上の含意を感じさせてくれるということです。言わせてもらうと、スピルバーグはストーリーを考えながら映画を撮ることなんかない気がするのです。スピルバーグが、こんな小難しいストーリーの意味を考えながらこの映画を撮ったとはとても思えない。いかに映像を美しく撮るかだけを考えている。そこが彼の天才たるゆえんではないか。少なくとも僕は、この映画のストーリーのからくりはおおかた忘れてしまいました。
 スピルバーグは、ストーリーよりも映像に説得力を持たせる人です。そういう視点から見ればこの映画はスピルバーグにまったく不向きと思うし、傑作とは言いがたいのですが、それに対し映像の力は相変わらず圧倒的で説得力があり、また彼お得意の含蓄あふれる悪趣味なジョークが冴え渡り、いささか疑問の残るストーリー面を十分補える仕上がりだと思います。
 説得力ある映像と簡単に言っていますが…それが一体どういうものなのかを示すのはとても難しい…何しろ、映像が面と向かってこちらに言葉を語りかけてくるのです。それは、スピルバーグのキャリアがなせる業としか言いようがない。
 説得力ある映像という意味では、キューブリックと同じ趣を感じます。ただ「A.I.」や他のスピルバーグ映画がそうであるように、彼の映画はおセンチでヒューマニズムが強くてキューブリックのような巨匠になりきれていない。そこがまた彼の魅力なのですが。

 そういうわけで、僕がこの映画からいかにさまざまなものを感じ取ったか列挙したいと思います。この先は文章というかメモのようなもので、箇条書きではなはだ見苦しい文面でかつ存分にネタをばらしているのでどうか真剣に読まないでください。
 この中には多分に僕の思い込みが含まれているわけですが、とにかく僕が言いたいのは、シーンの隅々まで映画を探って楽しみたければ、スピルバーグの映画ほど面白いものはないということです。

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by chuoeiken | 2006-03-05 00:29 | SF
遊星からの物体X
b0040244_0493964.jpg まったくの私事だが、僕が小さいころ持っていたレンタルビデオのカタログの中で、紹介文やパッケージの写真を見るだけで震え上がっていた映画が何本かあり、その筆頭がこの映画だった。そして、この映画を観ないことには、自分は決して大人の階段を登れないだろうと一人で勝手に決めていたのだった。

 と、例によって大げさなフリから始めてしまったが、観た印象としては、意外なことに怖いでもなく、グロいでもなく、美しかったのだ。物体Xの触手が勢いよくビチビチとうごめくシーンや、物体Xが人の姿をしながらも、人ならざる奇声を発しつつ炎に包まれるシーンなどは特に不思議な情感に満ちていた。
 この映画はとにかく人が焼かれる。それがなぜか美しい。炎には攻撃的な面があれば浄化の作用もあるのだ。炎にそういった二面性があるように、観ている間、観客の二面性も浮き彫りにされる。この映画で描かれる特異な事態のもとでは、無駄なヒューマニズムを語る人物よりも、アンチヒーローであるはずのマクレディにいつの間にか肩入れしてしまっている。倫理観の喪失だ。人は、置かれた状況によって容易に価値観が変質してしまう。まるで物体Xの変身のように。
 この世の生物はいくつもの種を淘汰し進化してきた。寄生し、同化し、仲間を殖やす。陳腐な言い方を許してもらえば、物体Xはまさに「生きもの」そのものなのだ。決まった形を持たない物体Xは、その時々の環境によって形質を変えてきた生物の縮図なのだ。
 正解のないこの世において、人は決まった形を持たない。どんな姿にもなりうる。自分のよく知っているあの人は、本当にいつでもあの人なのか?いやそれ以前に、自分は本当にいつでも自分なのか?残念ながら、それは誰にもわからない。

 最後にまたまた私事だが、この映画を観て僕は成長できたかというと、あれほど恐れていたこの映画を美しいと言うことが出来たし、まあ、成長と言えなくもないでしょう(投げやり)。炎に包まれる人間の姿を美しいと感じてしまった奴に成長という言葉を適用できるなら、の話ですが。
                            鈴木
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by chuoeiken | 2005-11-07 01:51 | SF
CASSHERN
b0040244_22295368.jpg いかんせん長い。内容は決して悪くなかったのに。監督は、「長い!お前の話は長い!」と大滝秀治に怒られやしなかったのか。
 ストーリーは大体忘れてしまった。そもそも、ストーリーとしての全体のつながりが悪すぎてなかなか話に乗れないのだ。学生の、不慣れで歯切れの悪いゼミのプレゼンを見ているような気分になる(俺だよオレオレ!)。
 だがとにかく、手を抜いて作ってないのは好感が持てる。ただ、作り手の熱意が空回りしているのだ。全体的に力が入りすぎてて、観ている側はどこで息をつけばいいのかわからなくなる。その不器用さがこの映画の身上とも言えるかもしれない。しかし観る側としては、そんな不器用な熱意を観るためにわざわざ高い料金を払おうとはなかなか思わないからなぁ。う~む。

 一言で言ってしまうと、「全編クライマックス」という感じの映画。これはけなし言葉であり、ほめ言葉でもある。

ネタバレ、かも?
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by chuoeiken | 2005-10-23 23:59 | SF
スターシップ・トゥルーパーズ
b0040244_232346100.jpg 学校のみならず、ブログも盛大に夏休みをとってしまいました。そのこととこの作品を観たこととは何の関係もありませんが。はい、まったくいつものことです。
 休み明け早々こんな映画の紹介であります。まぁそれにしても、見た目にも精神的にも気持ちの悪い映画でした。僕はポール・バーホーベンって人が大の苦手なんです。この人の映画はいつも心底狂っているから、観てて気持ち悪いというか、怖くなってくるんです。この映画には、「市民」と「一般民」とに人々を分類するという狂気の沙汰としか思えないような設定があるんですが、それというのが単に兵役を終えているかいないかの違いだけというのです。もしも人としての権利を得るための手段が「参戦すること」だけという世界になってしまったら、人はいつまで正気を保っていられるのでしょう。こういうそこはかとなくイヤ~な情景を臭わせてくれる設定が実にバーホーベン的であり、僕がこの人を好まないゆえんでもあるのです。
 戦争を経験したことのない人たちが心から戦争を理解するのは、とても難しいことだと思います。きっと想像をはるかに超えた世界なんだろうから。物理的に破壊された世界は想像できたとしても、人の心が死んでしまう世界というのは平和な今では知りようがないでしょう。戦争は正気で出来るものではないですから。この映画も例外ではなく狂っているわけですが、あろうことか僕は、ばたばた虫たちをなぎ倒していく戦士たちの姿に興奮を覚えていたのです。何かが僕の中で麻痺してしまった。彼らが正気を失っているなどと思いもせずに、僕は果敢にも「参戦」していたのです。
 食事中の方にはちょっと不快な話ですが、僕がこの前歩いていたら道端でゴキブリのような虫が腹から内臓出して仰向けでじたばたしていたんですね。それがとても苦しそうで見てられないから、楽にしてあげたくて一息にぷちっと踏んだわけです。こう言うと何だかきれいごとのように見えるのですが、あんな一寸の虫相手に、僕の中に何だか妙な気分が残ったのでした。だけどこういう気分になれるということは、自分の心の平穏や世界の平和が保たれているからで、いくら虫と人間の対決であっても、お互いに憐れみとか正気を失ったらもうそれまでなんだな、としみじみ感じたのでした。戦争のことは僕も本当には理解していないし、出来ないのかもしれませんが、この映画を観る限りでは、戦争はイヤです、本当に。あわよくば、こんな大量虐殺ムシキング映画を家で無責任に笑い飛ばしながら観ていられる平和がいつまでも続いたらいいな、なんて思ったり。ああ。
 
                            鈴木
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by chuoeiken | 2005-09-13 23:38 | SF
スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐
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 図らずも、この夏を代表する2大SFが並びました。僕はスター・ウォーズには特別な思い入れがないので、1も2もなく突然エピソード3をエントリーすることになりました。なんだか何の前触れもなく「リーサル・ウェポン4」を流す金曜ロードショーみたいなマネをしているわけですが。
 エピソード3。ぶっちゃけて言うと、このストーリーはちょっとないでしょう。しかしファンの人たちにとっては、映画の完成度よりもスター・ウォーズが完結したという事実に意義があるんですね。いろんなサイトでのファンの方々のこの映画に対する反応がとても生き生きとしてて、すごくいいです。スター・ウォーズって愛されてるんだ、と感じます。その歓喜の渦に入れないのがとても悔しいです。せいぜい、エピソード3ばっかり観に行って「宇宙戦争」を映画館で見逃した人にザマーミロと言ってますか。
                            鈴木

ファンの方は読まれないほうが…
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by chuoeiken | 2005-07-31 22:25 | SF
宇宙戦争
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 これから観る人のために、核心的な感想は控えておく。とりあえず、「ダコタちゃんかわいくなぁい?」なんてノリで行ったらスピルバーグの地獄の洗礼を受けるのは必至。心せよ!
                            鈴木

ネタバレはじめました
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by chuoeiken | 2005-07-16 01:19 | SF
不思議惑星キン・ザ・ザ
b0040244_2230755.jpg なんというかもう、この映画の存在自体が「不思議」です。映画はここまで観客の肩の力を抜くことができるのか。
 とりあえず、どこかへ出かけるときは、まさかのためにマッチをたくさん持って歩きましょう。言えるのはそれぐらいです。もう観るしかない。
              鈴木

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by chuoeiken | 2005-04-04 23:14 | SF
時計じかけのオレンジ
b0040244_193026.jpg 僕にとってこれがスタンリー・キューブリック映画初体験です。これを観て以来当然のごとくキューブリックにはまったわけですが、「2001年宇宙の旅」なんかはあまりに難解で神々しくてとても書く気にならない。現代社会にも通ずる問題提起をしている今作を挙げるのが無難だと思いました。
 雑然としているようでアーティスティックかつ無機質な美術、原作でもトリップ感満点だった不思議な若者言葉、全編を華々しく飾るクラシック(暴力シーンにまで!)。そのすべてが渾然一体となって、観客を別世界へといざなう。特にアレックス役のマルコム・マクダウェルが、いつも役者の演技が大味気味なキューブリック映画の中にありながら傑出しています。
 ただひたすら傍観者の目を貫くキューブリック特有の「神の視線」の面目躍如というところです。キューブリックは深く考えながらシーンを撮ろうとしない。ただそこで起こっていることを映すだけ。余計な味付けもせず。だから観客は惑わされるのです。あたかも本物の事件を目の当たりにしているがごとき臨場感を味わう。キューブリックの出す料理は余計な味がしないものだから、観客は料理の味付けに頼ることができない。頼れるのは自分の味覚だけ。それゆえ、観客はだんだんと自分の味覚に懐疑心を持ち始めるのです。
 物語後半、アレックスが真人間に戻ってようやく観客が溜飲を下げかけたとたん、アレックスにとんだ運命の皮肉が襲いかかる。すっかり映画の世界に漬かってしまった観客は、どうしたことか、心の中でアレックスに同情してしまうのです!このあたりはぜひご自分の目でお確かめいただきたいのですが、僕はこのあたりのくだりを見ていて居心地が悪くなりました。映画の暴力性のせいではなく、自分の価値観のせいです。僕はこれまで善良な一市民のつもりで過ごしてきましたが、果たして自分が「善」だと信じているものが何で、本当の「悪」というものはいったい何なのか、そして本当に自分は善良と呼べるのか。本気で考えてしまった。自分の価値観に疑問を抱いたのです。ここまで観客の心を乱し、自分の心の中と向き合わせ、深く考えさせるというのは、映画として、話としてすごいと思う。僕はすっかり、原作者と監督の仕掛けた罠に自分からはまり込んでしまったのです。

 この映画に真ん中の評価は存在しないと思う。好きか嫌いか。でも僕は、いくらこの映画が嫌いと言われてもいいから、少しでも多くの人にこの映画を伝えたいと思うのです。なぜなら、この映画を観ることで本当の自分と向き合えると思うのです。自分が今まで一番正しいと信じて疑わなかったものが、この映画を観ることであっけなく覆されてしまう。しかしそうなることで、自分が本当に信じるべき点、否定するべき点が生まれるのだと思います。
 この映画で暴力をあまりにスタイリッシュに描きすぎているという批判は否定しません。だがこの映画は挑発的ではあるが決して暴力を賞賛するような映画ではないはずだと思う。この世界の近い将来(つまり僕たちの今の世界でしょうか)を見据えた、素直で、赤裸々で、きわめて真面目な映画だと思うのです。
                                                 鈴木
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by chuoeiken | 2005-01-26 20:23 | SF
バットマン リターンズ
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 もちろんほかのバットマンシリーズは観ました。でもなんと言ったって第2弾である本作がずば抜けて印象的です。にわかにティム・バートン映画を観始めて数日。この映画に出会って完全にブチのめされました。
 オープニングからしてただ事じゃない雰囲気が漂っています。バートンの「さあ作るぞ!」という意気込みが聞こえてきそうです。前作はどうも制約がかった作りという感じがしましたが、バートン自身、「この映画は前作の続編ではない」と公言しているように、今回は手放しでバートンの映画だ、と実感することができます。バートン作品常連の音楽担当であるダニー・エルフマンも実にいい仕事をしています(この映画のサントラは隠れた名盤です)。美術面も隅々までバートンの美意識が行き届いていて、観ているだけで楽しいです。
 人間界から見放された動物超人の三つ巴。「どうせおれのことなど誰もわかってくれない」なんてオーラというか怨念を出しまくり、いわばハードボイルド版「シザーハンズ」とも言うべき内容の超プライヴェート映画に堂々と「バットマン」と銘打って世に出してしまうティム・バートンって、つくづくステキな人です。
 一人っきりのクリスマスにはもってこいの映画ですよ。ん?なんか聞こえた?

 ↓ネタバレ全開です。(前作と「ビッグ・フィッシュ」を未見の方はご注意・・・)
                                                  鈴木

ヒーローもののタブー
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by chuoeiken | 2004-12-18 00:15 | SF



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